手品師 |
現場経験3年くらいの頃のお話。引っ越し業界では3年も毎日、毎日、毎日、引越しをしていると
入れ替わりが激しい事もあり、古株になってくる。 特に元の会社はそうだった。
狭〜い路地の新築の3階建てのお話し。
昼からの引っ越しで、トラックが入れない程の路地に新築でした。
(どないして建てたのか不思議・・・。餅屋は餅屋ですね。)
たいがいこのタイプの家は、タンスや大物家電はロープでベランダからのつり作業になる。
しかし、この家は2階のベランダにカーポートみたいな日よけがついている。
3階は小さな出窓のみ。 やばい・・・。 マジやばい・・・。
裏手は届きそうなとこに、家が建っている・・・。
玄関を入ると案の定 狭い階段に、手すりまで付けてくれている。
お客様といきなり 打ち合わせ・・・。
「どないしましょう・・・? 階段で上がらない物は入れれないですが・・・。」
「最悪、お客様で2階ベランダの日よけを外してもらってから、
別料金ですが、後日大物家具を搬入に来るしかないですね。」
「ポーターもクレーンも道が入らないし、入っても日よけがあったら家具入れれないので・・・。」
僕らもプロなのでお客様のご希望の配置に出来ない時はめちゃめちゃ悔しいんですよ!
お客様は「どないか階段で入れてください!これ以上の出費はできないんです・・・。」
そりゃあ、2階の日よけの脱着代、後日の引っ越し代。 わかります・・・。
正直失礼やけど、金が無いから、この物件なんです。 わかります・・・。
「でも、プロとしてできる限りはやりますから!」 お客様も期待大!
こないなると、引越し職人の血が騒ぐ・・・。
手すりを外し、フロアの扉を外し、引っ越し開始! しかし、やっぱり入らない家具が発生・・・。
上下分割の食器棚の上、冷蔵庫、和ダンス、洋服ダンス。 予想通りだった・・・。
「少々、家具も家もキズが付いてもいいからお願いします。なんなら、家具切ってください。」
ここまで言われると情がわく。 「どないかしたる!」 って思いますよね。
まずは家具の梱包をハダカに。これで、2cmは変わる。そして和ダンスは引き出しを抜き、
食器棚と洋ダンス、冷蔵庫の扉までの分解。これで3〜6cmは縮小。
慎重に再チャレンジ! 和ダンスセッティング完了! 食器棚完了!
しかし、冷蔵庫と洋服ダンスが通らない・・・。 あと、4cmはどないかしないと無理だ。
う〜〜〜ん、しばらくみんなでいろいろ考えたが、このままでは難しい。
思い切ってフロアの"扉のわくぐみ"すべてを外すことを提案。
任せます!お願いします!のご主人の声。 4人がかりでだいぶ強引にいった・・・。
取れた・・・。 取れるものなんや・・・。 結構きれいに・・・。
無事セッティングできた。 全員で拍手喝采!スタッフもお客様も!
満足感に浸りながら、帰路についたとき日付は翌日になっていた・・・。
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